夏の和菓子、若鮎。清流を泳ぐ鮎の姿を形にしたもの。発祥の地は岐阜または京都と言われています。長良川の鮎か、鴨川の鮎のどちらかですね。
鮎は1年しか生きない魚。秋に卵からかえった鮎は海へと下り、冬を過ごし、春~夏になると川を上ります。そして秋に再び産卵のため川を下って、一生を終えるそうです。
だ和菓子の若鮎は、ちょうど海から川へ上ってきた鮎の姿。若鮎の響きから、か細い鮎をイメージしていましたが、本当は川の流れに逆らい泳ぐたくましく鮎の姿なのですね。
若鮎の材料は、卵、薄力粉、砂糖、重曹そして白玉粉(みりんがあればベター)。材料を混ぜて、焼いて、求肥を作って、焼印入れて、一匹ずつ仕上げていきましょう。
若鮎の生地はどら焼きに似ていますが、正式には「調布」と呼ばれています。そもそも「調布」は、小麦粉、卵、砂糖を混ぜて焼いた皮に求肥を包んで巻いた和菓子。。上部に「調布」の焼印入りも見かけます。名前の由来は、税として納めた布の調布から来ています。律令制の租税制度ですね。お菓子の調布がその布の形に似ているところから名付けられたそうです。
東京・調布市も、じつは税の調布にちなんでおり、多摩川で晒した布を納めたところから名付けられたそう。だから調布には、布田など、布に関連する地名があるのですね。お菓子の調布の姿は、下記リンク先でご覧ください。写真が無いので、失礼して京都・永楽屋さんのWebサイトへリンク張ります
若鮎の材料と道具
若鮎の材料(3匹分)
<生地>
・全卵 :45g
・上白糖:45g
・薄力粉:50g
・重曹 :0.5g
・水 :10g
・みりん:5g(みりんを使わない場合は水5gで代用可能)
<求肥>
・白玉粉:20g
・水 :40g
・上白糖:30~40g
若鮎の材料(3匹分)
・ボウル
・ホイッパー
・木べら
・お玉
・金串
・バット(無ければ皿などでも代用可能)
・鍋
・フライパンまたはホットプレート
若鮎の作り方
鮎の姿に焼き上げるには、生地をいかに流線形にするかがポイント。実際の焼き方は下記の動画を見ていただくのが一番分かりやすいのですが、ポイントを先にお伝えします
1. お玉は、真丸の丸いものを使う
お玉の形も、流線形作りに大切なポイント。オススメは、お鍋用のまん丸い小型のお玉=豆お玉(直径6cm前後)です。
丸いおかげで、生地を伸ばしやすく、とても使いやすいです。なお、どら焼き用のどらさじの使用はオススメしません。柄の部分の角度がかなり開いており、生地を伸ばしにくいからです。
2. 生地を伸ばす際は、お玉を垂直に動かす
お玉を垂直に動かすと生地がきれいに伸び、流線形を作りやすくなります。またお玉を動かす際は、やみくもに動かすのではなく、筆で書くようなイメージで動かすと上手くいきます
レシピ動画
若鮎の作り方
1. 求肥を作る(鍋練り)
ボウルに白玉粉と水を入れ、混ぜ合わせます。
鍋に入れ、加熱しながら練り上げます。火加減は中火。練る道具は木べらを使ってください。白玉がもち状になったら、砂糖を2回に分けて加えます。さらに練り上げ、伸びとコシのあるもちが出来上がったら火を止めます。
バットに片栗粉を敷き、その上に求肥をのせ、求肥全体に片栗粉をまぶします。
形を四角く整え、スケッパーなどで長方形にカットします
2. 生地を作る
ボウルに卵を入れ、溶きほぐします。上白糖を加えすり混ぜ、さらに微量の水で溶いた重曹も加え、混ぜます。
ボウルに薄力粉をふるい入れ、ホイッパーで、滑らかになるまで、混ぜます
最後に、水とみりんを加え、混ぜます
3. 若鮎を焼く(ホットプレートなら140~200℃)
ホットプレートまたはフライパンを温め、油を敷きます。
さじ1杯分の生地を落とし、さじの背面を使って小判型にのばします
表面に気泡が現われたら、ひっくり返し、裏面も焼き上がったら、取り出します
生地が温かいうちに求肥を包み、端を閉じます。
4. 焼印を入れる
金串を充分に温め、目やひれの焼印を入れ、完成です。
(金串をガス火で十分に温めます。赤くなればOK)
(胸びれを入れているところ)
(尾びれを入れているところ)
専用の焼印もあります
見た目をより本物の鮎に近づけたい方は、専用の焼印もあります。
◎目と胸びれ用
◎尾びれ用
<ご参考>鮎の焼印もありますよ
若鮎用ではありませんが、夏の薯蕷饅頭などにオススメ
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