和菓子の聖地、京都。
京都を訪れたら、京菓子の魅力を味わってみませんか?
ここ数年京都に通い続け見つけた、京菓子の魅力。まだまだ知らないことも数多くありますが、少しでもその魅力をお伝えしたく、シリーズでご紹介しています。
京菓子の魅力を知ると、きっとあなたも和菓子の世界にもっともっとハマりますよ。
今回ご紹介するのは、和菓子屋さんではなく、和菓子ゆかりの場所。
京都の街中にはいろいろなゆかりの場所が残っています。今回は和菓子好きさんにぜひ訪ねていただきたい5か所をご紹介します。
京都・和菓子ゆかりの地を巡る
1. お菓子の神様を祀る「菓祖神社」
京都大学の近くの、吉田神社内にあります。京都の菓子業界の信仰を集め、お菓子の神様「田道間守命(たぢまもりのみこと)」と、饅頭の神様「林浄因命(りんじょういんのみこと)」を祀っています。
田道間守は、日本の菓子祖。その昔、垂仁(すいじん)天皇の命を受け、常世の国(中国)から非時香菓(ときじくのかくのこのみ)の橘を持ち帰った人。
10年かかって日本に持ち帰ったとか。田道間守が日本に戻った時には、すでに垂仁天皇は亡くなっていたそうです。(from 日本書紀)
林浄因はおまんじゅうの神様。1300年代に中国から日本へ渡り、あの塩瀬総本家の祖となる饅頭を作った人。奈良で塩瀬姓を名乗り、饅頭屋を生業としました。
ちなみに奈良にも林浄因を祀った林神社があります。
菓子とまんじゅうの神様を祀った菓祖神社。境内には、色鮮やかな朱色の鳥居があります。背景の木々とのコントラストがとても美しいですね。
境内の石柱には、京都の名だたる菓子屋さんの名前。京都の和菓子屋さんを吉田山から見守っているのですね。
菓祖神社へのアクセス
バス停・京都大学正門前から徒歩10分ほどです
吉田神社は吉田山にあり、神社までは階段と山道を上ります。勾配はさほどきつくないので、体力に自信のない方でも大丈夫です
2. 京都御所の「道喜門」
京都御所内、建礼門の右横にあるのが道喜門(どうきもん)です。
建礼門に比べるととても小さく、質素な作り。知らないとそのまま通過してしまいます。
右奥の小さな門が道喜門
道喜門とは、川端道喜さんが毎朝、御朝物(おあさもの:おもちです)を届けていた専用の出入り口。
道喜さんの創業が1503年。いつから御所に出入りしていたかは不明ですが、東京遷都まで続いたそうなので、350年以上に渡り行われていたはず。
こんなにも長い間、毎日毎日行き来していた門だと知ると、感慨深いものがあります。
現在、川端道喜さんのお菓子は完全予約制。なかなか食べる機会も無いのですが、道喜門ならいつでも行かれるので、ぜひ一度訪れてみてください。
京都御所は通年公開。紫宸殿や庭園なども見学できます。
御所の庭園では、右近の橘と左近の桜も見られます。ひな人形の花飾りの元となったものです。
囲いの中が、右の橘。あいにく養生中でした…
京都御所へのアクセス
地下鉄の丸太町または今出川駅から徒歩10分ほどです
3. 下鴨神社の御手洗社(みたらししゃ)
下鴨神社本殿の右横にある、井上社(別名、御手洗社)。
井上社は、みたらし団子の発祥地。
井上社と言えば、水みくじ。おみくじの紙を水に浸すと、メッセージが浮かびます。体験した方もいらっしゃるのでは?
社内を流れるみたらし川やみたらし池。土用になると、底から清水が湧き出たそうで、その水泡をかたどり、みたらし団子が出来ました。
下鴨神社近くの加茂みたらし茶屋では、みたらし団子をいただけますよ。1本に5つ玉の団子です。
下鴨神社へのアクセス
バス停・下鴨神社前/糺ノ森前
または、京阪電車の出町柳駅から徒歩10分ほど
4. 祇園のシンボルマーク
祇園の店先でよく見かける、赤い提灯。じっくりと見たことありますか?
提灯に描かれているのは、祇園のマーク。じつは団子です。
下記写真、祇園甲部の提灯。8つの団子が描かれています。ちなみに、祇園東は円でつながった8つの団子が描かれています。
もとは、北野天満宮のお隣にある「上七軒」のシンボルマークにあやかったもの。上七軒は、団子が5つ。2本連なっているそうです
団子が上七軒のマークになったきっかけは、豊臣秀吉。北野の大茶会に出たみたらし団子をたいそう気に入り、茶屋にみたらし団子を商う権利を与えたそうで、それ以来団子が上七軒のマークになったそうです。
祇園や北野の上七軒を訪れたら、提灯を見てみてください
祇園へのアクセス
バス停・祇園
または京阪電車の祇園四条駅、阪急電車の河原町駅
5. かつて饅頭屋があった、饅頭屋町(まんじゅうやちょう)
烏丸三条にある、地名です。
ちょうどホテルモントレのあたり。ちなみに、ホテルモントレの住所は、京都市中京区烏丸通三条下ル饅頭屋町604です。
名前の由来は、その昔に饅頭屋があったから。菓祖神社で紹介した、林浄因の塩瀬家が饅頭屋を構えたところだそうです。
町を歩いて、住所表示を探しましたが、残念ながら見つかりませんでした。
近くには、亀末廣さんや、大極殿本舗さんがありますので、和菓子屋さん巡りのついでに立ち寄ってみてください。
饅頭屋町へのアクセス
地下鉄の烏丸御池駅から徒歩1分
以上、京都和菓子ゆかりの地のご紹介でした。
京都和菓子巡りはこちらもご参考に




