和菓子の聖地、京都。
京都を訪れたら、京菓子の魅力を味わってみませんか?
今回ご紹介するのは和菓子屋さんではなく、和菓子ゆかりの地。
京都の街中にあるアクセスの良い5か所をめぐりました。
1. 菓祖神社(かそじんじゃ)」
最初に訪れたのは、京都大学の近くの吉田神社内にある菓祖神社です
菓祖神社はお菓子の神様を祀る神社。
お菓子の神様、田道間守命(たぢまもりのみこと)と、饅頭の神様、林浄因命(りんじょういんのみこと)の2人が祀られています。
田道間守は日本のお菓子の神様。昔々、垂仁(すいじん)天皇の命を受け、常世の国(中国)から非時香菓(ときじくのかくのこのみ)の橘を持ち帰った人(橘はみかんの先祖です)。10年かかって日本に持ち帰りました。
昔は菓子=果実・実。橘は最上級品とされていたため、田道間守がお菓子の神様として祀られるようになりました。
林浄因はおまんじゅうの神様。1300年代に中国から日本へ渡り、塩瀬総本家の祖となる饅頭を作った人。奈良で塩瀬姓を名乗り、饅頭屋を生業としました。
奈良にも林浄因を祀った林神社があります。奈良の神社の訪問記は下記をご参考に
【和菓子巡り】奈良の和菓子屋さんと和菓子ゆかりの地を訪ねました菓祖神社の境内には、色鮮やかな朱色の鳥居がありました。背景の木々とのコントラストがとても美しいですね。
さらに境内には石柱が並び、都の名だたる菓子屋さんの名前がありましたよ
毎年4月と11月には春季と秋季大祭が行われ、京都の菓子屋さんが参拝されているそうですよ。また2月の節分には、お菓子やお茶がふるまわれるとか。
吉田山から京都の和菓子屋さんを見守る菓祖神社。ぜひ訪ねてみてください
バス停・京都大学正門前から徒歩10分ほどです
神社は吉田山にあるため、ふもとから神社までは階段と山道を上ります。勾配はさほどきつくないので、体力に自信のない方でも大丈夫です
2. 道喜門(どうきもん)
続いて訪れたのが、京都御所にある道喜門です。
下記写真の右奥の小さな門が道喜門です(左側の大きな門は建礼門です)
京都の老舗和菓子屋の川端道喜さんが、御所に御朝物(おあさもの:おもちです)を届ける際に利用していた専用の出入り口です。
毎朝、この道喜門から御所にお届けしていたそうです。
道喜さんの創業が1503年。いつから御所に出入りしていたかは不明ですが、東京遷都まで続いたそうなので、350年以上行われていたはず。
川端道喜さんと言えば、粽やお正月の花びら餅(御菱葩)が有名ですね。お菓子は完全予約制。なかなか食べる機会が無いのですが、道喜門ならいつでも行かれるので、ぜひ一度訪れてみてください。
京都御所は通年公開。道喜門を見つつ、紫宸殿や庭園なども見学できますので、ぜひ。
御所内の右近の橘と左近の桜も見られます
地下鉄烏丸線・丸太町駅または今出川駅から徒歩10分ほどです
3. 下鴨神社の御手洗社(みたらししゃ)
次に訪れたのが、下鴨神社。
本殿の右横にある、井上社(別名、御手洗社)を訪れました。
井上社はおやつの定番、みたらし団子の発祥地です。
どうしてみたらし団子の発祥地になったのか?
神社内を流れるみたらし川やみたらし池には、土用になると、清水が湧き出たそうで、
その水泡をかたどり、みたらし団子を作ったのが始まりだそうですよ。
みたらし団子が京都生まれだったとは、意外…
下鴨神社近くの加茂みたらし茶屋では、名物のみたらし団子をいただくことができます。なんと!1つの串に5つ団子ですよ。
下鴨神社を訪れたら、井上社を訪れてみてください
バス停・下鴨神社前/糺ノ森前
または、京阪電車の出町柳駅から徒歩10分ほど
4. 祇園
祇園と和菓子?どんなゆかりがあるのか、不思議に思われる方もいらっしゃるのでは
じつは祇園のシンボル「提灯」に関係しています!
早速、祇園の花見小路を訪ねました。
祇園のお店の軒先に、赤い提灯がぶら下がっているのをよく見かけますが、
あの提灯に描かれている〇マーク、じつは団子を表しているのです。
そう言われると、、、串団子に見えませんか?
京都のもう一つの花街、上七軒。祇園のマークは上七軒のマークにあやかったもの
上七軒の提灯には団子が5つ、2本に連なっています。
団子が上七軒のマークになったきっかけは、じつは豊臣秀吉。
北野の大茶会に出されたみたらし団子をたいそう気に入り、
茶屋にみたらし団子を商う権利を与えたそうで、それ以来、団子が上七軒のマークになったそうです
まさかの豊臣秀吉までさかのぼるとは…
祇園や北野の上七軒を訪れたら、ぜひ軒先の提灯を見てみてください
最寄りのバス停は、祇園
または京阪電車の祇園四条駅、阪急電車の河原町駅から5~10分程です
5. 饅頭屋町(まんじゅうやちょう)
最後に訪れたのは、烏丸三条。
じつは駅から徒歩1分のところに、和菓子ゆかりの地があります
ちょうどホテルモントレのあたりで、住所が饅頭屋町なのです
(ホテルモントレの住所は京都市中京区烏丸通三条下ル饅頭屋町604)
名前の由来は、かつてこの場所に饅頭屋があったからで、
菓祖神社に祀られている饅頭の神様、林浄因の子孫が饅頭屋を構えました。
町を歩いて、住所表示を探しましたが、残念ながら見つからず・・・写真におさめられなくて残念。
饅頭屋町の近くには、亀末廣さんや大極殿本舗さんなどの老舗の和菓子屋さんもあります。
ぜひ和菓子屋さん巡り際に、饅頭屋町を訪ねてみてください
地下鉄烏丸線・東西線の烏丸御池駅から徒歩1分です
以上、京都和菓子ゆかりの地のご紹介でした。
京都和菓子巡りはこちらもご参考に
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