和菓子作りに欠かせない、小豆。
あん作りを始める前に、小豆の基本を知っておきませんか。小豆のことを知ってからあん作りを始めると、それはそれは楽しく、そして美味しいあんが出来上がりますよ!
小豆の種類から、小豆の旬、新豆とひね豆の違い、保存方法や栽培地域などをご紹介します。
小豆の種類
小豆はササゲ属・アズキ亜属の豆。原産地は東アジア地域と言われています。日本では縄文時代から小豆を食しており、昔から日本人の生活に欠かせない存在でした。
小豆は大きく分けて3種類あります。
1. 普通小豆
おなじみの赤い小豆。こしあん、つぶあん、煮小豆、甘納豆など、和菓子全般で使われています。(”普通”は便宜上の呼称)
主な産地は北海道。中でも十勝エリアが多く、帯広や音更町などで多く栽培されています。品種はエリモショウズ、きたろまん、きたのおとめ、しゅまりなどがあります。
2. 大納言
普通小豆よりも大きいサイズの小豆。つぶあんやぜんざいなどに使われます。豆が大きく、皮も丈夫で、ゆでても割れにくい特徴があります。
大納言の名前の由来は、腹割れ(=切腹)しないことから、切腹しない公家にひっかけて名付けられたそうです。
主な産地は北海道をはじめ、京都や兵庫県など。丹波地方の丹波大納言が有名ですね。
3. 白小豆
黄白い色が特徴の小豆。白あんが作られています。
主な産地は北海道や京都、兵庫、岡山など。北海道の品種「きたほたる」などがあります。
あんを作るなら、どの小豆を使えばよいの?
つぶあんもこしあんも、普通小豆を使うのがオススメです。理由はゆでやすいからです。ゆで時間もさほどかかりません。
なお、普通小豆の中でも私はいつもエリモショウズを使っています。以前に別の品種も試してみましたが、味・ゆでやすさ・色の点から、エリモショウズが一番よかったので、今はエリモショウズに落ち着いています。
エリモショウズを購入するなら、豆の専門店でお買い求めください。豆屋に品種を尋ねると教えてくれますよ。
小豆のシーズンについて
小豆のシーズンは、
・種撒きの時期:5~7月頃
・収穫時期:9~11月
収穫は1年に1回。秋に収穫したものが、新豆として市場に並び、1年間市場に出回ります。
もし不作になれば、小豆はほぼ1年間市場に出ず、翌年の収穫を待たねばなりません。価格が高騰し、和菓子屋さんの仕入れコストが上がり、苦しくなる…というサイクルに陥ります。
ここ数年は天候不順や自然災害で、小豆の収穫量が少なく、どこも大変な状況です。
新豆とひね豆の違い
新豆は、その年に収穫された豆のことを指し、
ひね豆は、前年以降に収穫された豆のことを指します。
新豆は10~1月上旬頃まで店頭に並び、新豆の表記がされています。
なお、新豆をゆでる際はコツがあります。下記をご参考に
小豆の新豆、ゆで方のポイント
小豆が出来るまで
小豆はマメ科の植物。畑に種をまき、成長すると、さやが出来、豆を収穫します。そして一定期間乾燥させ、さやから取り出し、選別を経て市場へと出荷されていきます。
小豆畑を見る機会はほとんど無いなので、機会があったらぜひ見たいですね。
以前に、京都の鼓月さんの店頭で白小豆の鉢植えを見かけました。写真の”コレ”という文字の左に、小豆のさやがあります。見えるかな…
小豆の保存方法
小豆は乾物。一般的な乾物と保存方法は同じです。ただし、開封前と開封後は異なります。
開封前
涼しいところに置いておきます。
開封後
開封後は、冷蔵庫の野菜室で保存しておきます。。豆は湿気に弱いと言われています。特に日本の梅雨は大敵。冷蔵庫なら湿気の心配はありませんね。
また、小豆の賞味期限は長く、収穫してから1年以上は大丈夫。なお、小豆のパッケージに賞味期限が記載されていますので、その表記に従ってください。
ただし、一度開封したら賞味期限が長いとは言え、なるべく早めに使うのがおすすめです。
購入してから2~3年経過してしまった豆は、使わない方がいいです。あんとして食べるのではなく、別のことに使うのがよいのではないでしょうか。
小豆であん作り、ぜひ楽しんでくださいね。