つやぶくさはどらやきのようで、あんの包み方が特徴的。焼き色のついた面を内側に、気泡の見える面を外側にします。
おいしそうに焼けた面をわざわざ見せないのも、面白いですね。
名前の由来は、茶道の袱紗布。あんを袱紗で包んだように見えるところから名付けられたそうです。料理でも「袱紗包み」があります。
包む形もいろいろ。今回ご紹介するような丸い形から、筒状に包むもの(金沢・村上さんのふくさ餅がこのタイプ)、半月状(岡山・橘香堂さんのむらすずめがこのタイプ)などもあります。ちなみにふくさ和菓子の本場は金沢です。
つやぶくさの材料と道具
材料:4個分
<生地>
・薄力粉:30g
・水 :32~33g
・砂糖 :25g
・全卵 :25g
・重曹 :0.8~0.9g
<中餡>
・つぶあん:20g×4個分(丸めておく)
表面に気泡を作るため、膨張剤を使います。今回は重曹を使っていますが、本来は重曹と炭酸アンモニウムを使います。炭酸アンモニウムは膨張力が強いので、生地が膨らみ、よりつやぶくさらしくなるのです。
炭酸アンモニウムは薬局で購入できます。しかし、我が家の近所のドラッグストアでは取り扱いが無く、またネットで購入すると量がハンパないので、今回のレシピでは炭酸アンモニウムの使用を諦めました。
道具
・ボウル
・ホイッパー
・粉ふるい
・フライパン
・お玉(丸いさじやレードル)
・ヘラ
・紙(習字用の半紙や懐紙がオススメ)
つやぶくさの作り方
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通常、卵・小麦粉・砂糖を使って作るどらやきや調布のような生地は、さっくりと混ぜ、粘りを出さないようにします。
しかし、つやぶくさは逆。よく混ぜて粘りを出してください。そもそもレシピも、混ぜる順番が薄力粉→水→砂糖→卵→重曹です。ちなみにどらやきは、卵→砂糖→重曹→薄力粉→水の順番で。ほぼ逆です。
生地を作る
1. 薄力粉と水を混ぜる
ボウルに薄力粉をふるい入れ、水を加えてホイッパーで混ぜ合わせます
※生地がゆるい状態になるまで、しっかりと混ぜてください
2. 砂糖を加えて、混ぜる
ボウルに砂糖を入れ、ホイッパーで混ぜます
3. 全卵を加えて、混ぜる
ボウルに全卵を入れ、ホイッパーで混ぜます
4. 重曹を加えて、混ぜる
重曹を微量の水で溶き、加え、ホイッパーで混ぜます
5. あんを丸めておく
中のあんを4個分用意し、丸めておきます
生地を焼く
6. 温めて油を敷く
フライパンやホットプレートを温め、油を敷きます
7. 焼く
さじ1杯分の生地を流し、さじの裏で生地を丸く広げます。気泡が出るまで待ちます
気泡が現われたら、紙を当てて、生地の生の部分を吸い取ります。
そして裏返し、裏面を5~8秒ほど焼いて、取り出します
8. あんを包む
生地が冷める前に、あんを包み、完成です(生地が冷めてしまうと、ひび割れやすくなります)
紙は懐紙がオススメ
つやぶくさは、もさもさと膨らんだ形が特徴。この形を作るには、生地を焼いている間に、生地を紙で吸い取ります。
紙は、吸水性がよければ何でもよいのですが、オススメは懐紙。手に入れやすく、サイズも半紙に比べて小さく取り扱いしやすいです。茶道をされる方は必ずお持ちかと思いますので、余っている懐紙をご活用ください。