素材が甘く美味しければ、砂糖の量を控えることができます。だから、なるべく素材の甘さや美味しさを引き出したいと考えています。
さつまいもは、どう加熱すると甘くなるのでしょうか?
今回は、さつまいもの甘さの理由、引き出し方、加熱の方法をご紹介しています。ポイントをおさえるだけで、さつまいもは驚くほど甘く、美味しくなりますよ。ぜひお試しください。
さつまいもの甘さを引き出す加熱方法
さつまいもはなぜ甘くなるのか?
さつまいもには、βアミラーゼと呼ばれるでんぷん分解酵素が多く含まれています。さつまいもを加熱すると、この酵素がでんぷんを分解し麦芽糖に変えるため、さつまいもが甘くなるのです。
麦芽糖が生成される温度は65~80℃。さつまいもの甘さを引き出すためには、65~80℃の温度帯を長く保つことがポイントになります。
さつまいもの甘さを引き出す加熱方法は?
「焼く」か「蒸す」かで加熱しますが、どちらがさつまいもをより甘くするでしょうか?
答えは「焼く」です。
理由は1時間以上かけて焼くことで、酵素の働く時間が長くなり、より甘さが引き出されるそうです。また水分が蒸発するので糖が凝縮し、より甘く感じます。
しかし、和菓子の場合は「蒸す」のがオススメです。
なぜなら、焼くとさつまいもが多少なり乾燥してしまいます。しかし和菓子には湿度も大切。蒸す方が水分が残り、しっとりとした仕上がりになるからです
さつまいも、蒸し方のポイント
麦芽糖がしっかりと働くよう、ゆっくりと加熱し、甘さを引き出します。
ゆっくりと加熱するためには、さつまいものサイズと火加減がポイントです。
<サイズについて>
さつまいもはスライスや小さくカットせず、丸ごと一本や半分のサイズで蒸します
<火加減について>
弱火で蒸します。65~80℃の温度帯を長く維持してください。蒸し上がったさつまいもは驚くほど甘くなります。
蒸し時間は40分~1時間程(さつまいものサイズで時間は変わります)
さつまいもの蒸し方
1. さつまいもを洗い、ラップにくるむ
さつまいもを洗い、皮つきのままラップにくるみます。大きい場合は半分にカットします。
2. さつまいもを蒸す(40分~1時間)
蒸し器を沸騰させ、さつまいもを入れます。火加減は弱火に、ゆっくりと蒸し器で加熱します。芋が大きい場合は、1時間近くかかることもあります。
3. さつまいもの柔らかさを確認/蒸らす
竹串や金串をさし、すっと入ればOKです。火を止めます。そして蓋をしたまま置き、15分ほど蒸らします。
蒸したさつまいもは、皮をむき、裏漉して、さつまいも餡やさつまいもの和菓子に使います
さつまいもを使った和菓子のレシピはこちらをご参考に
さつまいも和菓子のレシピ