身近だけれど、じつは知っているようで知らない和菓子がありませんか?
6月半ばになり、和菓子屋さんの店頭で見かけるようになりました。
三角形の和菓子。しかも見事な二等辺三角形です。
この和菓子の存在を知ったのは数年前。
これは、6月を代表する和菓子の一つ「水無月(みなづき)」。厄除けや無病息災の願いを込めて、6月30日の夏越の祓(なごしのはらえ)に食べる行事和菓子。
京都を中心に食されてきました。東京など他地域で販売され始めたのはここ10年くらい。京都や関西の方には馴染み深いけれど、それ以外のエリアの方は、あまり馴染みないのではないでしょうか?
断面を見ると、白と小豆の二層構造。
白い部分はういろう生地。白玉粉や葛粉、薄力粉等と砂糖を混ぜて蒸したもの。上には、大納言小豆の蜜漬けがのっています。食感はもっちりとして、小豆はしっとり柔らく、やさしい味の和菓子。
しかしこの水無月、一体どのように厄除けや無病息災と関係しているのでしょうか?
じつは「三角形」「白」「小豆」に、意味が込められています。
三角形は魔除けや厄病よけの形であり、白は氷を表し、涼しさを演出、そして小豆の赤色は邪気を払う色とされています。
この小さな和菓子に意味を込め、「形」「素材」「色」を選んで水無月を作り出すとは!考案者はきっと素晴らしいセンスと思いやりの持ち主だったのでしょう・・・ありがとう ☺
ということで、まだ水無月を食べたことない方、ぜひ今月中に食べてみてくださいね。
6月30日で販売終了です。水無月を食べないと、楽しい夏は来ませんよ。