6月になりました。和菓子の世界は梅雨を飛びこえ、夏が来ます!
「和菓子に夏が来たー」
和菓子も和菓子屋さんの店頭も初夏から夏へと一斉に衣替えです。
しかし…実際には梅雨を迎え、じめじめシーズンの到来。「この時期を少しでも快適に過ごしたい」という方、和菓子を見て、食べて、せめて気分だけでも夏を迎えましょう!
6月の和菓子と言えば?
6月の和菓子=水無月(みなづき)を思い浮かべる方もいらっしゃるのでは?「水無月」とはういろう生地に小豆の蜜付けをのせたもの。形は三角形。6月30日の夏越の祓(なごしのはらえ)に合わせて、厄除けや無病息災の願いを込めて食べられます。
ただし!水無月は6月後半の期間限定で販売されるところが多いです。
残念ながら、6月上旬にはまだ販売されていません(涙)
代わりにおすすめしたいのが
見た目も涼やか、かわいいフォルムの「若鮎」
若鮎とはどんな和菓子?
鮎が清流をいきいきと泳ぐ姿をお菓子にしたもの。
夏を涼しげに演出する、まさに夏を代表する和菓子の一つ。
5月下旬~6月の鮎漁解禁とともに販売されます。
ちょうど今、和菓子屋さんの店頭は若鮎が中心です。
夏に「あー鮎の塩焼き食べたい」という人がいるように、「あー和菓子の若鮎を食べないと夏が始まらない」という人もいるかもしれませんね。
ちなみに、「若鮎」ではなく「鮎焼き」「稚鮎」「焼鮎」と呼ぶお店もあります。
こんなにも違う!全国の若鮎
先日、銀座三越のデパ地下で見つけたのが「若鮎特集」
各和菓子店の若鮎を一斉にラインナップされていました。
並べてみると、若鮎と言えど、お店によってずいぶん個性があるものですね。
異なるところは・・・
1. 生地の色
香ばしそうな濃い目のものから上品な薄めまで。焼き色はバラエティに富んでます。
2. 中身
一番多いのが求肥もちを挟んだもの。その他、求肥もちとつぶあんの組み合わせや、珍しい”ゆずあん”入りもあります。
3. デザイン
目やひれの焼印デザインも異なります。可愛い若鮎から、クールなものまで。
最もスタンダード・定番は、カステラ生地を香ばしく焼き上げ、中に求肥もちだけを挟んだもの。こちらは、京都の和菓子屋さんに多いです。やはり若鮎の本場、京都ならでは。
一方、中身にバリエーションをつけているのが関東の和菓子屋さんです。
「伝統を守る京都」と「アレンジを好む関東」ってところですね。
若鮎のお味は?
外側はカステラ生地で、中には求肥やあんこが包まれています。香ばしいカステラ生地と求肥のモチモチ食感が合わさって、絶妙なおいしさ。和菓子屋さんによって生地の食感やそして中身も異なりますので、ぜひお好みの若鮎を探してみてください!
若鮎のおいしい食べ方、おすすめは冷茶と共に。
比較的甘さ控えめな若鮎、抹茶と一緒にいただくと少々甘さが足りないと感じるかもしれません。抹茶より渋味の少ない、緑茶ならもっと美味しくいただけます。ぜひ冷緑茶と一緒にどうぞ。
若鮎はどうやって作るの?
鮎のスリムなボディ、そして勢いよく泳ぐ姿を表すため、生地は楕円形に焼かれます。そして生地で求肥(ぎゅうひ)やあんこを包み、ふっくらとした感じを出し、最後に目やひれなどを焼印で描き鮎の形に仕上げています。
若鮎の販売期間は?
5月下旬から7月、お店によっては8月下旬まで販売されています。
老若男女問わず、きっと誰にでも好かれる若鮎。
美味しくて、見た目も涼やかで、愛嬌ある形が魅力の若鮎。
ぜひお試しください。今が豊漁ですよー