東京の和菓子屋さんを訪ねるシリーズ「東京あんこ散歩」。毎回、エリアを決めて和菓子屋さんを巡っています。
東京には様々な和菓子屋さんがあります。和菓子屋さんの数は日本一。人口も多いから、お店の数も一番なのですね。京都に負けず、個性的なお店が勢ぞろい。
今回訪れたのは、大田区の池上~蒲田~大森。ここは、なんと江戸創業の和菓子屋さんがいくつもあるエリア。
どこのお店も駅からアクセスしやすいので、電車でふらっと出かけてみませんか。
散歩時間:2時間半
移動手段:電車、徒歩
江戸創業の老舗が残る大田区の和菓子屋さん巡り
最初は、池上でくず餅
池上の名物、くず餅。
池上は日蓮宗の総本山「池上本門寺」の門前町。江戸の頃から多くの参拝客が訪れ、名物菓子としてくず餅が誕生しました。くず餅の発祥も、池上だそうです(てっきり船橋屋さんかと思っていました…)
東急池上線の池上駅を出て、本門寺までの参道には、4軒のくず餅屋さんがあります。駅前の浅野屋さんに、1752年創業の浅野屋本舗さん、藤乃屋さんに、そして本門寺に近い池田屋さん。
今回は池田屋さんへ。
くず餅は小麦粉を長期間、乳酸で発酵させたもの。池田屋さんのくず餅にはたっぷりのきなこ。山盛りのきなこはうれしいですね~。黒蜜をかけていただきます。くず餅はもっちりとして、ほんのり甘さで美味しかったです。
くず餅を食べ終わったら、その足で池上本門寺へ。
池上本門寺は、鎌倉の頃から関東武士の祈願寺として栄え、境内には重要文化財の建造物もあります。
一番の見どころは、96段の石段「此経難持坂(しきょうなんじざか)」。
かの加藤清正が寄進したもので、本門寺の境内に行くには、この石段を上らなければなりません。
そして石段を上ったところから見渡す街並みは、絶景。ぜひ一度訪れてみてください。
続いて、京急蒲田の江戸創業の団子屋さんへ
次は、京急線の蒲田駅へ移動。駅から徒歩2~3分の「志ら井」さんへ。
創業は1848年(嘉永元年)。お店は第一京浜沿いにあり、昔は東海道を行き交う人々が立ち寄ったのでしょうね。
志ら井さんの名物は、コシヒカリの自家製粉で作る団子。みたらしと草団子の2種類があります。
あいにく、訪れた時はみたらし団子が売切れ(涙)。草団子を2本購入。さらに、ショーケースに美味しそうな稲荷寿司とかんぴょう巻きがあったので、合わせてお持ち帰りしました。
団子はさすがの美味しさ。上新粉らしい、歯切れのよさに、米の甘さと美味しさを感じる絶品のお団子。久々に美味しい団子をいただきました。
そしていなり寿司は東京らしい、濃いめの甘塩っぱい味。そしてかんぴょうも味が十分染み込み柔らかく炊かれ、美味しかったです。
もう一度訪れたい、蒲田の名店です。
そして、平和島で2軒はしご
続いて、京急線で蒲田から3駅先の平和島で下車。
第一京浜に並行して走る美原通りは、旧東海道のおもかげを残す商店街。この商店街にある和菓子屋さんを2軒はしごしました。
1軒目は、駅から徒歩5分ほどの大森屋さんへ。こちらの名物は「のり大福」。大田区のお土産100選にも選ばれています。
平和島を含む大森エリアは、ご存じ海苔の養殖で栄えたところ。のり大福の生地には青のりが練りこまれています。
ひと口食べると、青のりのいい香りが広がります。中は滑らかなこしあん。青のりは和菓子との相性がいいのですね。美味しかったです。
次は、平和島駅から徒歩7~8分ほどの「餅甚」さんへ。
創業は1715年(享保元年)。こちらの名物は、あべ川餅です。
あべ川餅と言えば、静岡の名物。餅甚さんの初代が駿河出身。故郷のあべ川餅を茶店でふるまわれました。東海道を行く旅人も、きっとこのあべ川餅で疲れをとったことでしょう。
餅甚さんのあべ川餅の特徴は、きなこと黒蜜がけ。静岡のあべ川餅はきなこ+砂糖もしくはあんが定番ですが、黒蜜も美味しいですね~
もちは柔らかく、ひと口サイズ。1回に3~4個はいただけます。
暑さが和らいだら、ぜひ大田区の和菓子屋さんを巡ってみてください。